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夫婦で営む小さなバーの厨房から見える悲喜こもごも・・・


by delicayumama

棚から鰻

昨日は珍しく早い時間からのお客さんがあった。
5時台から三組で三組とも腹ペコだったらしい。人数はみんなで五人。
最近厨房でバタバタしてないので、まとめて料理の注文が入るとオーバーだが勘を取り戻すまで時間が少々かかる。
頭の中で次にやることを三つくらい考えながらやるけど途中で一つ忘れて動きが止まることしばしば。
これも年齢のせいかと思う。
ところが結局お客さんはこの三組だけに終わり、10時を過ぎるとノーゲストになってしまった。

早い時間から常連さんからビールをいただいたりしてたので、二人でふあ〜なんてアクビをしているところに一本の電話。
マスターが出たが、受け答えが少し緊張感を帯びてきた。
昨日来て頂いてた方で一時間ほど前に帰られたその常連さんから。

この方のお兄様はうちでは最高齢の方で最近はご病気でお酒を飲まれなくなっていた。
なのでしばらくお会いしてない。
でも高齢にもかかわらずまだ現役でお仕事をされている。
そのお兄様は昨日は上海出張から夕方5時ごろに自宅に帰られるはずだったが帰って来ないと心配して、その奥様から弟さんである常連さんに電話が入った。

自宅に帰る前に事務所に寄って帰ると言われたそうで、その弟さんがマスターに事務所を覗いて来て欲しいとの内容だった。
事務所は店とは目と鼻の先。
お客さんもいないし、マスターはすぐに自転車で飛び出した。

事務所でもし倒れたりしていたら大変だ。
ドキドキしながら帰りを待った。
こういう時は短い時間も長く感じるものだ。

やがてマスターが帰り事務所には明かりも点いてないし鍵もかかっていたし、トイレも見たが誰もいなかったと電話で弟さんに報告した。
高齢の上、ご病気があるのでみんなが心配するわけだ。

しばらくしてまた電話が鳴った。
弟さんからで、上海の人と連絡がつきお兄様とは一緒に夕食を食べたから大丈夫。
日本に帰るのは明日、すなわち今日だとわかった。
本人が伝え間違えたか奥様が聞き間違えたかそこのところはわからないが、これは他人事ではないなあと思う出来事だった。
何もなくて良かったが私達も気をつけなければ。

そして今日お昼過ぎに弟さんからメールを頂いて、夕方に鰻の蒲焼を持って来てくださるとのこと。
昨日のお礼と思う。
なんでも美味しい鰻屋さんがあると噂には聞いていたお店のもの。
今年は鰻は高嶺の花。
土用の丑にはまず口に入らないだろうから、せっかくだから有難くいただきます。
もちろん今日のまかないは鰻丼。
これでこの夏乗り切ります。
ありがとうございました。
美味しかったでーす(^-^)/
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by delicayumama | 2012-07-05 13:17 | Moi(私)