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夫婦で営む小さなバーの厨房から見える悲喜こもごも・・・


by delicayumama

喧嘩するほど

「昼は餃子三個しか食ってへんねん!誰かのおかげでな!」
よく来てくれる男子が可愛くない口ぶりで言います。
隣りで彼女がこれまた不機嫌なお顔で彼を睨んでいます。
ほんとは可愛いお顔なのに。

よく喧嘩するとは聞いていましたが、間近でナマを見るのは始めてのこと。
喧嘩はお昼ご飯から続いているようです。
食べ物の恨みは怖いと言いますが、お昼にお互いが食べたいものが一致しなかっただけのことで一日が台無しです。

その後もお互いの一言一句を取り上げてあーやこーやと言い合う二人。
私から見れば可愛い内輪揉めです。
まあお互いの性格が似てるんでしょうね。

「今日もひまやなあ。忘年会の予約入ったん?
一つも入ってないん?あかんやん!」
偉そうな口調ですが彼なりの優しさ表現です。
昨日も寒い中わざわざ来てくれました。
彼女もしばらく店に来れなかった時はメールをくれます。
「寒くなりましたが、お元気ですか?」
こんなことをメールしてくれる若い人はそうそういません。
それは私にはすごく嬉しいことです。

商売を始めた頃、誰かにメールをすると必ず文末に「またお店に行きます」と書かれるのが嫌でした。
私は店に来てもらいたいからメールしたのではなく、私の近況を書いて相手の近況を聞きたいだけなのに。

しばらく店に来ない人にメールしにくくなりました。
そして店に行けないけど元気?とメールくれる人もあまりいませんでした。
でもやがてわかりました。
店と自分を切り離して誰かと付き合うことはできないのですねえ。

ものすごく親しくなって休みの日にどこかへ遊びに行ったり我が家にも来てくれたりしたような人でも、この彼女のようなメールはくれません。
だからとても嬉しいのです。
二人が幸せになれますように。

毎日帰りに通るホテルの前のクリスマスツリー。
時間が早いと点灯しているのを見ることができます。
クリスマスかあ…若い二人には楽しいイベントなのでしょうねえ。
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by delicayumama | 2012-12-02 15:49 | Invité(お客様)