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夫婦で営む小さなバーの厨房から見える悲喜こもごも・・・


by delicayumama

百日紅

店に行く途中に信号待ちするところ。
とある会社の軒下にはミストの装置があることは昨年の今頃のブログに書いた。
暑い中、信号待ちには有難かったが、今年は節電のためか休止しているようだ。

その装置のすぐ脇でことしもサルスベリが可愛いピンクの花を咲かせている。
サルスベリというのは和名で、幹が柔らかく猿も滑り落ちるほどと言われるため。

夏の三ヶ月ほどの間、次々と咲いては散り、散りは咲いてを繰り返す。
だから漢名は百日紅、ヒャクジツコウ。

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そう言えば、杉浦日向子の百日紅があったわいと本棚から出してみた。
江戸の風俗に詳しい杉浦日向子さんの傑作。
葛飾北斎の娘、お栄さんのお話。

彼女の浮世絵の腕前もなかなかのもので
北斎の絵と言われるものの中にも彼女の代筆もあるらしい。
画号は応為。北斎がお栄のことをおーい、おーいと呼んだからと言われている。

北斎亡き後行方知れずになったお栄さん。
ファンも多かったのに早々に隠居してしまった杉浦日向子さん。
作品も待たれたが、実は免疫性の難病と戦い五十路を待たずして亡くなってしまった。

お栄さんも日向子さんも百日紅のように次々と作品を生み出したかったのかも知れない。
来年もこの花を見たら二人のことを思いだすだろう。

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by delicayumama | 2011-08-09 17:44 | Une ville(町)