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夫婦で営む小さなバーの厨房から見える悲喜こもごも・・・


by delicayumama

ジムノペディな日々

私がエリックサティを知ったのはつい最近のことです。
ただジムノペディという曲は聞き覚えがありました。
いつどこでかは定かではありませんが。

この夏だったか.確かBS朝日でエリックサティを取り上げていました。
その時にこの聞き覚えのある曲の題名を知りました。
またパリのモンマルトルの家やシャ・ノワール(黒猫)というキャバレーでピアニストをしていたことを知って、パリに行ったら訪れてみたいと思いました。

シャ・ノワールに惹かれる理由はもう一つありました。
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うちのリビングに飾ってあるポスターです。
誰が書いたものかも知らず、ただ猫好きな私達がバルセロナのグエル公園の売店でたまたま黒猫に出会ったので買っただけでした。
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これがその時の写真です。
右にはこのポスターを持っている私が写っています。
なぜバルセロナで売られていたかはわかりませんが、エリックサティを知った時、このポスターがシャ・ノワールのものだとわかりました。

さてジムノペディの話に戻ります。
この曲を退屈だと感じる方も多いと思います。
でも私には誰かが話しているように聞こえます。
歌詞はないのに聞こえるのです。
そしてこの夏以降、私の頭の中で時々この音楽が流れるようになりました。

それは店に行く自転車をこいでいるとき、洗濯物を干しているときなど
決まっているわけではありません。
一人で何かをしている時です。

曲の感じは決して明るいものではありませんが、悲しいものでもありません。
人生ってね、こんなものだよ。
辛いことばかりでもないし、楽しいことばかりでもない。
人生って、こんなもの…

そういうふうに誰かが喋っているように聞こえます。
おそらくは自分で自分に言い聞かせているのだと思います。

パリのモンマルトルのコルト通りにサティの家がありました。
ジムノペディな日々_d0154508_14144877.jpg

ユトリロの母親、シュザンヌ・バラドンに恋したサティは短い間に300通ものラブレターを出したと言われています。
サティはこの家からシャ・ノワールに通っていたのですね。
残念ながらシャ・ノワールは残っていません。

モンマルトル博物館には古き良き時代のモンマルトルに関する資料がたくさん残っています。
ルノワールがアトリエに使っていた建物です。
キャバレーが全盛だった頃のモンマルトルに私もカフェの女給くらいで潜りこんでみたいもの。

私達がモンマルトル博物館の敷地に入ってすぐ、また不思議なことがありました。
どこからか一匹の黒猫が走り寄って来たのです。
とても人懐こく私達にまとわりつきました。
まさかバルセロナの猫でもポスターから
出てきた猫でもないでしょう。
その写真は家のパソコンの中なので今はお見せできないのが残念です。

私は画家や音楽家の歴史には全く詳しくないし、あまり興味が湧きません。
気になるのは時代背景と人間関係です。
どういう思いでその絵を書いたか、その曲を作ったか、そんなことが気になります。
そして自分の生きて来たことの何かと繋がることが楽しいです。
バルセロナの黒猫とモンマルトルの黒猫が7年越しに繋がったというわけです。
by delicayumama | 2011-12-14 13:29 | Moi(私)