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夫婦で営む小さなバーの厨房から見える悲喜こもごも・・・


by delicayumama

日曜日の電話

日曜日の朝、電話がなると99%実家の母からだ。
だいたい時間帯も決まっていて父が起きてトイレに入ってるころ。

日祝は電話料金が安いと前世紀の遺物的な思考回路だから
たまにこちらから用があって平日に電話したりすると
「なんで日曜日にかけてこないの?」なんて普通に言う。

父がトイレに入ったのを見届けて掛けて来るのは
電話の内容がほとんど父に対する愚痴だから。
それか姉妹や親戚に対する愚痴。

できれば毎週こちらから電話をかけて様子を聞いてやろうとは思うが
毎回愚痴だらけの話を聞くとこちらのほうがしんどくなるので
ついつい電話するのが億劫になる。

私にしたらせっかくの日曜。天気がよければ気持ちも弾む休日なのだ。
何をするのでも無くても少し明るい気持ちで夕食までの時を過ごしたい。
でも電話が鳴って、こちらが返事をする前のいきなりの「もしもし!」を聞くと
いきなり気分が萎える。

私にしたら親というのはとっても重たい存在で
電話をするのを1週間、2週間と伸ばし伸ばしにしていると
だんだんとてつも大きな仕事になってくる。

この日曜日がそうだった。
正月明けに一度話して以来、まあ便りの無いのは元気な証拠なんて
いつものように自分で思い込もうとしてた。
何かあったら向こうからかけてくるだろうし、父がトイレに行く時間も過ぎたので
やれやれと買い物行ったり昼ご飯を食べたりと雑用に追われていた。

うちの電話は台所のカウンターの上に置いてあるが
台所で用事をしている時は電話は見えない。
日曜のお昼過ぎ、2時半ごろだったか電話周りの掃除をしようとしたとき
留守電のランプが点滅しているのに気付いた。

その瞬間、気持ちの中の何かが萎んだ。やっぱり母だった。
私が買い物に行ってるときにかけてきたようだ。
留守電の母は開口一番「私は毎日が地獄だ!」と訴えていた。

父の認知症がひどくなってきたようだ。
昔から母に優しい父ではなかったし、夫婦喧嘩もよくしていた。
それがボケ始めてどんどんひどくなっている。
母にしたら少しでも体に良いものを食べさせたりしているのに
足が悪くなったのはお前のせいだとか出て行けとか言われるのはたまらないのだろう。
それはよくわかる。

でも相手はボケてるんだよといくら言っても、世話をしていない私が言うのでは説得力がないようだ。
いろんな人の話も聞くがボケてくると身内が看るのは難しいと言う。
それは元気なときを知っているから・・どうしてこんなになっちゃったん?と思うから。
他人なら優しくできるらしい。

現在父はデイサービスに週3回行ってるが、そこではとても好々爺らしい。
昔から外面のいい人だったけど、こちらもボケてからもっといい人になってるってことか。
たまに帰る私達夫婦には昔とほとんど変わらぬ態度で接してくるけど
それはきっと時間が短いからだと思う。
ずっと一緒にいれば母と同じ事を思うんだろうなあ。

母はストレスで血圧があがったり体調が悪いと言う。
このままでは母が倒れる。
母に問う「じゃあ、どうすればいい?」
かわいそうだが実際問題、私達も引き取ることはできない。
もっとデイサービスを増やすか1週間泊まりで預かってくれるところを探すか?
それくらいしか思いつかない。
とりあえず母がケアマネさんに相談してみるということで電話を切った。

心が痛い。でもどうにもならない。
by delicayumama | 2012-01-24 09:12 | Moi(私)