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夫婦で営む小さなバーの厨房から見える悲喜こもごも・・・


by delicayumama

春待ちスイットピー

朝一で市役所へ行き介護申請の手続きをし、病院に寄ってソーシャルワーカーさんと転院の話をして電話で結果を知らせてもらうことにして、その足でマリンライナーに乗った。
午後一時には大阪の家。
予定より早く帰れたので洗濯を済ませ買い物をして店に来た。

今回帰った一番の目的は実家の引っ越し先を探すこと。
それなのに病院に着いて今から不動産屋と会うと母に言うと「長いこと住み慣れた家を出るのはいや!」と言う。
入院して間なしにあれほど話して引っ越そうということになっていたのに。
借家だからいつまでもいられないと私が言うと、それでもしばらくはあの家に居たいと言う。
私達夫婦は顔を見合わすしかない。
おかげでせっかく待ち合わせた不動産屋との物件の見学は冷やかしに終わってしまった。
一人であれこれ考えたか、誰かの言葉で気が変わったか。

病院でテレビを見ながら機嫌良く食事する母の顔を見ていると、いったい何を考えてるのかと思う。
たまに父の話をするが罪悪感の欠片もないように見える。

家の片付けもぼちぼちやれと言う。
ぼちぼちやってたのでは退院してくるまでに終わらない。
誰のせいであんなゴミ屋敷になったんだ!
母の居る前では絶対片付かない。
物は捨てられない。

土曜日にナースステーションの前を通ったら綺麗なピンクのスイトピーがたくさん飾られていた。
それを母に告げたら、私達が帰るときに見送りがてらにそれを見に行くと言って着いてきた。

「ほんま〜綺麗やなあ。
造花?いやほんものやあ。」
指で触って確かめる母。
「ほなな。」
一人で大丈夫かと聞くと大丈夫と言うのでスイトピーの前で別れたが、オットが目で合図するのでナースステーションの角を曲がって病室へ帰って行く母の後をそっとつける。

ナースステーションに入る看護師さんに「スイットピー見てきた。綺麗やねえ。」と声を掛ける。
何回聞いてもスイトピーではなくスイットピーに聞こえる。
私が見ていることにも気付かずに子供みたいに歩いて行った。
やれやれ、娘と娘婿はへとへとですよ。
春待ちスイットピー_d0154508_1925152.jpg

by delicayumama | 2013-01-15 18:29 | Moi(私)