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夫婦で営む小さなバーの厨房から見える悲喜こもごも・・・


by delicayumama

人の思い

まあ暑い。
今日も30度を超えた。
明日までこんな天候で、土曜日からはぐんと気温が下がるらしいが、今現在そんな風には思えないくらい暑い。


半世紀以上も生きていると誰にもいろんなことがある。
ただ毎日の暮らしの中で過去の出来事ばかり思い出している訳ではない。
何かの拍子にひょこっと思い出すことがある。

それはすごく辛かったことや、最高に楽しかったこととも限らない。
ほんの些細な誰かの言葉であったり仕草であったり。
思い出すきっかけは音楽であったり匂いであったり風であったり。

人は物事を記憶するのに頭の中でどんな区別をしているのだろうか。
年を取れば頭の中の引き出しがいっぱいになるから、古いことは覚えているが新しいことが引き出しに入らないから覚えていられないらしい。
私もそんな年齢になってきたように思う。

同窓会で当時のある出来事の話になると、人によって覚えていることが違うことがよくある。
クラスでは一大事だったのに、自分もそこにいたはずなのに、全く記憶にないこともある。
それはやはり人それぞれに記憶の区別の仕方が違うのだと思う。

それは記憶に関してだけに限らない。
例えば、よく来ていたお客さんがぱたっと来なくなったとする。
こちらは最後に来られた時の状況を考えてみる。
なぜ来なくなったか?
他に誰がいたか、どんな話をしたか、どんな風に帰って行かれたかなど思い出そうとする。
考えてもわからないこともあれば、ああそういうことかと思い当たることもある。

思い当たったところで、それはこちらが考えたこと、相手がそう思っているとは限らない。
どちらかと言えばハズレのことが多いと思う。
それでも人は考える。

長い年月の間に気持ちがゆき違ったままになっている人が何人かいる。
それとて、そんな風に思っているのは私だけかもしれない。
あちらは何とも思ってないかもしれない。
若い時なら誤解を解きに出向くかもしれないが、この年になればそれはそれでいいではないかと思うようになった。

苦い、痛い思い出は黒い小さな石となって心の奥底に沈めたまま死んでいくのだろう。
思い出して口の中で転がしてはまた飲み込んで、それはそれでいいではないかと自分に言い聞かせて死んでゆくのだろう。

なんでこんなことを考えたのか、考えてもわからない。
今日のまかない
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by delicayumama | 2013-10-10 17:59 | Moi(私)